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【前置き】昔のポエムを読む気持ち【長いよ?】

昔々、ネットの大海の片隅に、大手ゲーム攻略サイトがありました。

そのサイトは、コミュニティ関係が非常に充実しており、
何かのきっかけで足を踏み入れた私は、
そこで出会った友人たちと毎夜楽しく、
くだらない話で盛り上がったりしておりました。

コミュニティの一つに

「FF妄想板」

というのがありました。
最初の頃は「どうせ同人的なアレでしょ」なんて
見むきもしなかった私ですが、
ある日、友人の一人に誘われて
そこで「小説」を書き始めることになります。

もちろん、誰に頼まれたわけでもありません。
強いて言うならば友人に誘われた形ではありますが、
最後の方は返事や感想をいただけるのが面白く
とにかく、書きまくっていました。

掲示板の平均年齢が比較的高めなこと、
「勝手に書いてるもの」に違いはないんだけど
決して「自己満足だから何でもあり」
というものではなかったこと、
また、そういう人たちとの交流が楽しかった、というのもあります。

・・・・まあ、多少美化はしてるかもしれませんが。

ほどなくして、長期休みに入った
思春期さんたちが多く現れ始め
掲示板が荒れ、コミュニティは閉鎖されることになります。






最近、PCの中身を整理した際、
当時のテキストが大量に出てきました。
その多くは、掲示板という特性を利用して
「長編小説の形をとりながら、レスで今後の希望的展開を募り、それに対応して続きを書いていく」
物だったり、当時同様に長編を書いていた友人と
二人でキャラを決め往復書簡を行っていたりと、
公開できないものばかりですが、その中で一つだけ、
掲示板を知らなくても読めそうなものがあったので、
ちょっと、公開してみようかと思います。



・・・・・昔の、ポエムを朗読するような気持ちです。


笑ってやってくれ。

ただ・・もしも。もしもですよ?
もしも、当時のことを知っている人がいて、
もしかして、

「どんたん?」

とか言われたら、素敵だなと・・・
うん。・・・ごめん・・・ほんのちょっとだけ思ったんだ・・・。

最初の試みだから、今回は上げますが、
様子を見ながらこっそり更新していくことになると思います。
あと、最初だからいろいろ言い訳も書く。

本気で長いので何回か続きます。

【“【前置き】昔のポエムを読む気持ち【長いよ?】”の続きを読む】
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  1. 2000/10/12(木) 00:00:00|
  2. 【物語】FFXのお話
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  4. | コメント:2

2

彼が駆けつけた時、浴槽は既にピカピカだった。
いや、正確にはそう見えただけだったのかもしれない。
何故なら、彼がここにかけつけるまでの間に
わずかながらも浴室から漏れ出たその気体が
彼の目を少しずつ汚染していたから。

足を踏み入れた瞬間、むせかえるほどの刺激が彼の鼻を襲った。
更に目の奥がチカチカとし、白を基調とした浴室は
複数の光の点滅でまぶしいほどに輝いて見える。
思わず目を細め、なんとかその焦点を合わせると、
浴室のちょうど中央で、空になった洗剤の容器を握り締め、
彼女がぼんやりと座っていた。
更にその傍らには「こすらずよく落ちる!」という謳い文句で有名な違う種類の洗剤の容器。
手にとってそれを見れば、そちらもすっかり空だった。

おそらく、焦点があっていないだろうその目で
彼女がぼんやりとこちらを振り返る。

左右違った色の目にはとめどなく、涙。
すっきりと通ってはいるが決して高すぎない鼻からは、いわゆる、水っ洟。
口は半開きにゆるくあけられており、そうでもしなければ呼吸すらままならない様子。
おまけに、喉の異物をなんとか外に出そうと、とめどなく咳込んでいる。

「やっばり、ぎでぐれだんだで・・・
ざなるがんどえいぶしゅのえーしゅぐん・・・」

何度も咳込みながら、ときたま嗚咽を練りこみ
涙と鼻水とよだれで顔をぐしゃぐしゃにしながら、
やっとそれだけ、彼女は言った。
(正確には、彼がやっとそれだけを聞きとれた。)


「何やってるんだよ!風呂掃除の時には
換気扇回せっていったじゃないか!!」



大きく浴室のドアを開け放ち、彼は怒鳴った。
更に、手に持った容器を一瞥し、怒りに任せて浴室の外に放り投げた。


「混ぜるな危険って書いてあるじゃないか!!」


怒りの為なのか、それともこの塩素のせいなのか
自分も涙ぐんでいることがわかる。

いけない。早く、ここから立ち去らなければ。


「助けるッす!」


自分を元気付ける為か、それとも彼女にそう伝えたかったのか。
無理矢理若物ぶって昔の口癖なんぞをいってみる。
同時にそんな自分がおかしくなって、少し、笑ってしまう。

もうこんな口癖が、似合う年でもないのに・・・・

かつてはシンを倒した英雄も、そして奇跡的に海から生まれなおした男も
今では倦怠期を迎えた、どこにでもいる夫婦の片割れである。

そう、ほんのちょっと前までは、
彼らの絆が、終わらないナギ説と、
出来る筈のない再会という奇跡を生んだのだ、
そんな風にスピラ中をわかせていたというのに。
そして今でも、その絆が、永遠であると、
スピラ中の人たちが信じていると言うのに。


その永遠を、最も信じている人物が、
誰よりも、今の二人を受け入れられないなんて。


永遠なんて、俺達が終わらせてやる。
そういって、あの闘いに挑んだというのに。
皮肉なものだ。

とかなんとか、今は考えている場合ではない。
とにかく、彼女と二人、ここから脱出しなければ。
息が出来なくなるほどのこの刺激の中で
彼自身も必死であった。

ぼんやりしてる場合じゃない。

こんな所に長時間いたら、自分も意識を失ってしまう。
今や一発逆転回復魔法をつかえる相手が最も「混乱」状態なのだ。
とにかく、綺麗な空気。そして水。
それを求めて、彼は、彼女をつれて走り始めた。
  1. 2000/10/11(水) 02:29:01|
  2. 【物語】FFXのお話
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3

それは、どこかで見た事のある風景だった。
青い、どこか、森のような風景。
いつのまに、こんな所まできたのだろう?
さっきまでの自分は、夫がいる身でありながら、
失ってしまった恋人に思いを馳せ、
その罪悪感から夫のために、必死で風呂を磨いていたというのに。

・・そうだ・・連れ出されたのだったわ。
あの時、確かに、ザナルカンドエイブスのエース君、
君がいた。・・・じゃあ、この隣ではしっているのは、誰?
・・・・夫?・・・夫って・・?私・・・・・

冷たい夜気に触れ、しばらく走っていると、まず最初に涙がかわいた。
それから、冷たい空気を肌で感じるようになり、
やがてその感触が脳を覚醒させ、それまではぼんやりともやがかかっているようで
どこか遠くにあるようだった風景が、くっきりはっきりとその輪郭を帯びてきた。

なんだかひさしぶり。
本当に久しぶりに。
こんな風に景色が見えるような気がするわ…


何もかもがクリアーになり、脳が、いや、心が、まるできっちり6時間眠って起きた朝のように澄みきっている。


やがて少しづつではあるが五感が戻り
冷たい向かい風の抵抗を全身で受けとめ
彼女の体がすっかり冷えきった頃には。
彼女の感覚は「痛いほど寒い」と
感じるまでになっていた。

ただ、一点を残しては。

ふらつく彼女の足を支えるために、
彼女を抱えるようにして腰にまわされた彼の腕。
ほんの少しだけ前を行き、彼女を導く為に繋がれた彼の手。
そんなフォークダンスのような体勢が歩きやすいわけはなく、
彼女の足は、もつれにもつれた。
それでも、彼女ははっきりと感じた。
冷たい風に当たり、水っ洟はさっきよりもひどくなっていたが、
それでも、一緒に走る彼を、彼女は本当に久しぶりに見た様な気がしたのだった。


随分と、薄くなっちゃったんだなあ…


ほんの少しだけ前を走っているわけだから
自ずと彼の後頭部にその目は注がれる。
夜の闇の中でも、彼の明るい髪の色は目立った。

だから、あんまり染めない方がいいよっていったのに…

ただでさえ、水中でやるスポーツの選手なのだ。
プールの塩素が、髪にいいわけはない。

それでも、彼は染めつづけた。
スピラでの彼は「終わらないナギ説を作り出した英雄の一人」であり、
スピラ中が夢中のあのスポーツ、ブリッツボールのエースなのだから。

そうすることで得られるイメージは、何よりも、大切なものであったらしい。

スピラ中の人々が彼に「常勝」を期待し、「英雄」である事を求める。
基本的にお調子ものだから、彼もそれに答えようとする。
その結果、でてきた白髪は幾度となく染め直され、
細く、コシがなくなってきた髪の毛は年々ハードな
ジェルやワックスで固められた。
抜けるのは、当然である。

いや、本当は、人々の期待に答える為だけではない。
彼自身もまた、おとろえゆく自分の体を
そうすることで、ごまかし続けていたのだろう。

いくらスポーツの選手だからといってよる年波には勝てない。
すぐ傍を走る彼の体は、かつてシンを倒す為に共に走ったあの時と同じではないし
そして自分もまた、彼から見れば、確実に年をとっているのだろう。

そう言えば…この間黒ずくめのおばさんが
突然やってきて・・・・・・誰なのかしらと思っていたけれど。
そうか・・・・・・あれは、ルーだったのだわ。

急にクリアになった頭は、本人が聞いたら
怒りそうなくらい失礼な事を平然と考え始めるようになっていた。

  1. 2000/10/10(火) 02:51:10|
  2. 【物語】FFXのお話
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  4. | コメント:0
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