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「ごめんね。」

それしか言葉が出なくて、彼女は彼にそう伝えた。

彼は、ゆっくりと首を振った。
ずっと、ここにいさせて、ごめん。
ずっと、終わりにさせなくて、ごめん。
披露宴とか、いろいろさせて、ごめん。
しかも、白いタキシードで、ごめん。

彼が、首を振る。

禿げるまで、一緒にいさせて、ごめん。
それじゃあキノック老師みたい。あはははは。
ほんとうだね。あはははは。
涙なのか、それとも泉の水が顔にかかったせいなのか
彼がぼやけて見える。

そういう存在なのだから、道理だ、といわれたらそれまでなのだが、
どうしても引き止めたいと思う。だけど、引き止めてはいけない
と今度こそ、本当に思っている。

大丈夫だよ。

声にはならなかったが
彼の唇が、そう動いた。

大丈夫だね。

声にはならなかったけれど
彼女はただ、うなずいた。
そしてゆっくりと、彼の姿は消えた。


        *



マカラーニャの聖なる泉には、真実だけが現れる。
「二人の奇跡」をなくしたスピラの人々は
そこに新たな伝説を作り、観光の名所とした。

会いたい人を思ってその泉にコインを投げなさい。
横手で投げて、三回バウンドさせなさい。
そして泉のほとりまで行って、会いたい人を思いなさい。
するとあなたの思う人が、本物と偽者のコインを持って
現れるでしょう。会いたい人は、あなたに聞くでしょう。
「あなたが落としたコインは、真実のコインか。
それとも、妄想のコインなのか、と。」

マカラーニャの泉は、今日もたくさんの人でにぎわっている。

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  1. 2000/10/03(火) 03:21:42|
  2. 【物語】FFXのお話
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