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「ごめんね。」

それしか言葉が出なくて、彼女は彼にそう伝えた。

彼は、ゆっくりと首を振った。
ずっと、ここにいさせて、ごめん。
ずっと、終わりにさせなくて、ごめん。
披露宴とか、いろいろさせて、ごめん。
しかも、白いタキシードで、ごめん。

彼が、首を振る。

禿げるまで、一緒にいさせて、ごめん。
それじゃあキノック老師みたい。あはははは。
ほんとうだね。あはははは。
涙なのか、それとも泉の水が顔にかかったせいなのか
彼がぼやけて見える。

そういう存在なのだから、道理だ、といわれたらそれまでなのだが、
どうしても引き止めたいと思う。だけど、引き止めてはいけない
と今度こそ、本当に思っている。

大丈夫だよ。

声にはならなかったが
彼の唇が、そう動いた。

大丈夫だね。

声にはならなかったけれど
彼女はただ、うなずいた。
そしてゆっくりと、彼の姿は消えた。


        *



マカラーニャの聖なる泉には、真実だけが現れる。
「二人の奇跡」をなくしたスピラの人々は
そこに新たな伝説を作り、観光の名所とした。

会いたい人を思ってその泉にコインを投げなさい。
横手で投げて、三回バウンドさせなさい。
そして泉のほとりまで行って、会いたい人を思いなさい。
するとあなたの思う人が、本物と偽者のコインを持って
現れるでしょう。会いたい人は、あなたに聞くでしょう。
「あなたが落としたコインは、真実のコインか。
それとも、妄想のコインなのか、と。」

マカラーニャの泉は、今日もたくさんの人でにぎわっている。

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  1. 2000/10/03(火) 03:21:42|
  2. 【物語】FFXのお話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5

コメント

読了

随所に散りばめられた生活感溢れる笑い。
でも所々ジーンときちゃうのは
私がXをやっちゃったからだろうか
サクボヌ様がガッツリ掴むところが巧いせいだろうか・ω・

私泉のシーンが一番スキなのですよ。
  1. 2006/10/13(金) 21:13:09 |
  2. URL |
  3. A猫 #-
  4. [ 編集]

FFXを最初にクリアしたときの印象は、
「シナリオと演出が、ようやく、絵に追いついた」でした。

私は実は、やりこみ型ゲーマーでもなんでもなく、
ゲームはエンターティーメントのひとつ、としか捕らえてはいません。参加型のエンターティーメント。
だから、ゲーム的、攻略重視のやりこみというのは
私にとっては作業でしかない。

その作業が面白いこと、は、エンターティメントとして
優秀であるというのにもちろんつながるのですが、
どうせなら私は、その作業に、必然性を求めたい。
それが、RPGと銘打っているのならばなおさら。

FFXのストーリー展開はそういう意味で
非常に秀逸だったと思います。

悪を倒すための旅路。
その旅路をたどることで見えてくる、父と自分との関係。
それを見せてくれる、旅の仲間。
その関係性がきちんと見えたし、見えたから、
主人公の成長がわかりやすかった。

関係をシンプルにしたおかげですかね?wwww


唐突なシーンや、構成的に?と思うところ、意味のわからない忍耐と根性のミニゲーム、など個人の好みとしていやな部分もありましたが、(私はあのボリュームなら、ザナルカンドで半分、とおもってるんです。)ストーリーは本当によかったな、と思うんです。

あれをやらなかったら、私多分、FFはもうやってないんじゃないかな。

特に、はじめからこういうテーマで何を書こう、なんて
思って書いていたわけではなく、なんとなくこんなシーンが見たいとかそういう勢いで書き続け、最終的には目指す場所があったらしく落ち着いてくれましたけど、そんな感じでした。

A猫さんに読んでもらえて良かった。
長かったでしょう?どれくらいかかりましたかw
  1. 2006/10/13(金) 21:50:47 |
  2. URL |
  3. sakubon #-
  4. [ 編集]

カナリ速読な方なので2度繰り返し読んでみました・ω・
余計早く読んでシマッタ気ガしましたガ。。ヤッパリおもろかった。
文章を書けるという人を昔は尊敬しておりました。
今でもそうかもしれないです。
叔母にそれだけ読んでたら小説とか書いてみないかと
一月半その家にお世話になっていた21の頃言われましたが
ミリです。気恥ずかしい・ω・匿名のようなものだからこそブロgは書けます。
私のブログの特徴として書き直しが後半カナリ目だっておりました
言い訳がましいデスガ私には小説は書けないwwww
だからサクボヌ様の小説は読んだんだろなー。
よそ様のブログで小説書いてる人は多いけど読み終えたことにゃい
サクボヌ様のは人を楽しませてくれる人の小説だからこそ読んだんだと思います。
楽しませてくれてありがとう^^
  1. 2006/10/14(土) 20:12:46 |
  2. URL |
  3. A猫 #-
  4. [ 編集]

 お久しぶりです。
 某化け猫のフレンドのアルフリートです。

 あっという間に読んでしまいました。
 とても読みやすく、アクセントが随所に利いた良い小説です。

 色々なジャンルが小説にはありますが、私の中には無いジャンルの小説を読みました。
 勉強になりました。ありがとうございます。
  1. 2006/10/15(日) 07:07:16 |
  2. URL |
  3. アルフリート #ymLahu7A
  4. [ 編集]

なんとレスしよう・・・と考えているうちに随分時間が空いてしまい、大変申し訳ない。
しかも、書こうとしてこの長い記事を延々スクロール・・・

なんとかすればよかった、と後悔で一杯です。本当にすみませんw

A猫さま>書く、だけなら誰でも出来るんですよね。
日本語だから。日本語が扱えるなら、日本語の文章は
物理的に誰もが書ける、はず。
そして今は、公開することも容易な時代です。

ほんの十年ちょい前の自分には考えられなかった手段でした。
私は、文章でお金をいただける身分ではございません。
ですが、それでも、こういう場所で公開する文章は
どのような形であろうとなけなしのプライドを持って
行っておるつもりです。
こうやってコメントをいただくことで救われています。
純粋にありがとうのきもちです。

アルフリートさん>あるさんの文章は男性っぽいなあと思って読んでいましたので、「ジャンルの違う」と言う言葉にふむふむ、と頷きました。あまり、仰々しいことを書くのは照れるので単調で普通の話しになってしまいますが、楽しんでいただけたなら
こんなにうれしいことはありません。ありがとうございました。
  1. 2006/10/17(火) 21:24:17 |
  2. URL |
  3. sakubon #-
  4. [ 編集]

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